show no mercy

酔ってこい酒場です

ルームシェアをはじめて3ヶ月が経ち

 

この街に住んでみたい!という我が人生思いつき坊の直感を信じ、去年(2023年)の12月、唐突に引っ越してみた。学生時代から「キムラはなんか中央線ユーザーっぽい」と言われることが多かったので(まぁ自分でもなんとなくわかる)、イメージに抗いたく抗っていると思われてそうではあるが、ワタシは京王線沿いに住まわせていただき押忍!と、ハタチを超えてからはずっと京王線沿いでうろうろ住み移っていた。

 

今住んでいる街の魅力は、朝でも昼でも夕方のような雰囲気があるところ。これは中央線に住んでいる人々になら伝わると信じているが、日光の差し込み方が京王線沿いの駅とは明らかにちがくていい。緑も茶色も多いし、明らかに子ども達も生きやすい""街""という感じがする。京王線にも違う良さがあるのだけどね。

今回、住みたい街に安く住みたい&敷金礼金がなく期間も縛りのない気楽な住み方をしたいという希望で、ネット上で大家さんがルームシェア募集広告を出しているところへ応募→個人間の契約を結ぶというよく考えるとリスキーなことをしてみた。根底にあるのは人生やったことないことをなるだけやって死にたい(脳内に流れているのは「♪今日は昨日みたい? 明日は今日みたい? 大丈夫 大丈夫 楽しかったら大正解!」Utauyo!!MIRACLE放課後ティータイム)ではあるんだけど、大人になるにつれて、やはり転職エージェント企業と不動産会社への憎しみがツートップでデカくなっていており、直でやり合えばいいのでは?なぜ仲介する?仲介することでうまくいくものもうまくいかないのでは??と、この巨大化した疑心暗鬼お化けのせいでもある。もし次転職することがあるとするならば、会社かなんかわからんけど、直に履歴書を出しに行くでしょう。

 

今回、住みたい街で募集がかかっている募集物件に数件目を通したが、募集要項の説明で圧倒的に惹かれたのは、「テ●スハウスみたいなキラキラしたルームシェアを想像している方は、お控え下さい。普段はそれぞれ個人の生活を重んじており、何かあった際には支え合う程度の関係で生活をしております」という文言だった。最高!先に住んでいる方2名の少なき情報も確認すると、AさんとBさん(歳上の女性たちであることはわかった)も落ち着いた感じの人々そうであった。最高!……と言いつつ、この時点で何もわからない他人であることを自覚はしていたものの、蓋を閉じた…。

 

まず、大家さんも介し、AさんとBさんも集った場で居住スペースの説明や、共有場の掃除分担などを受けた(今回Cさんが退去したことによる募集)。第一印象としては、AさんとBさんどちらも他人に対しての警戒心強めではあるが、受け答えも言葉少なくしっかり返答するタイプで、Aさんは時たまがんばって笑顔で対応してくれようとしているのがこちらにも伝わる笑顔を浮かべており、それとは対照的にBさん側は真一文字に口元を結んでおり、初対面の間柄では緊張感にソワソワさせられるものの、悪い人ではないのがはっきりわかる立ち方をしていた(Bさんは小一時間ずっとキッチンに寄りかかり立ちしていた)。意外とあまり接することのない、落ち着いた大人の女性たちを前にして、猫の前で大きい音を出さないようにしている配慮しているみたいな人間の姿=今の自分の姿なんだろうと思いながら、ワタシは変な人間ではないですよーをアピールするがためだけににこにこした表情をしながら(しょうがないの!自然と、そうなっちゃうの!)、一通りしっかり会話をした。と思う。この時点で、リビングに差し込む西陽が素晴らしく眩しくて、この街にもっと住みたくなりました。

 

大家さんに「内見の時点で手土産を持ってきてくださった方は、初めてですよぉ!笑」と盛り上げてもらえる。ハハハ…無難にヨックモックの焼き菓子でスマセン…だったけど、なんか、そのシーンで謎に盛り上がった。先に1名すでに顔合わせした方がいらっしゃったとのことで、合否(住める合否?)を待っていたが…ぜひ!とキムラにお声がかかり、この度無事ルームシェア決定。やったぁ やったぁ

 

……で、早くも3ヶ月が経とうとしているが、全く会話をしない。いや、これ自体は募集要項に書かれてあったこととなんの齟齬もないので、全く構わないのだが…。廊下や共有スペースでばったり出会った際は、自分はAさんとBさんどちらにも挨拶をするようにしているが、不思議なことにAさんとBさんは挨拶もしていない&会話が聞こえたことがない。大家さんからあとから聞いたところ、2人はもう15年くらい一緒に住んでいるらしい……じゅうごねん?!!?!?!!!それくらい一緒に生活していれば、赤の他人と言えども会話なくとも…なのだろうか。わからない。フォローしている方が「人にちゃんと挨拶をするというのは、礼儀というより護身術」という今の自分には分かりしかしない名言をおっしゃっていたが、本当にね、AさんとBさんのどちらかが殺人鬼だとしても(ほんと失礼スミマセン)、いつも挨拶してくれてる人間を殺すのはやっぱりやーめたとなってくれるんじゃないかと、そんな思いすらもこめながら最近は挨拶している。Bさんはクリアな声で挨拶をしてくれるが、顔合わせ以降のAさんは聞き取れない何かもにょもにょした言語で挨拶を返す。目は絶対に合わせてくれない。「そういう人なんだろう」とお互いに思いながら接するのじゃ……!決して無理をしているわけじゃないけど、近所の美味しい和菓子屋でお饅頭を複数個買った際に、AさんとBさんそれぞれの名前を付箋に書いてリビングの机に置いていたら、翌日それぞれからすれ違った際に「ありがとう」と声をかけてもらえて嬉しかった(なんか普通の人間同士であることを確認した行為みたいになって勝手に申し訳なくなった)。もちろん『夜明けのすべて』にあった職場でのお菓子差し入れ気遣いに対して「ありがとう嬉しく思ってるよ&でも無理はしなくて大丈夫だからね」を重ねた素晴らしい返しの言葉はよかったけど、あれは完璧なフィクションの言葉すぎる、このシンプルなお礼にこそここは現実だと思えるのだからと、安心した。

 

住み始めて1ヶ月ほど経った時に、リビングで一人でレンチンしたご飯を食べていたら、Bさんがトコトコとやってきて、キムラが顔合わせの際に銭湯へよく行くことを話したのを覚えていてくれていたのか、近所の安くていい銭湯情報を教えてくれた。こんなコミュニケーションを取ってくれただけで、もう泣きそうになる程に嬉しかったワタシ……。Bさんは、近場の良銭湯の名称と「ここ(家)から、徒歩5分くらい」とハッキリ伝えてくれた。…にも関わらず、数日後キムラはGoogleマップでその銭湯と同名ではあるけど全然違う銭湯、その距離10kmくらいの場所にある銭湯をBさんに教えてもらった銭湯だと思い込み、ダイチャリを飛ばして行き、オススメしてくれた銭湯に行ったことをBさんに伝えたく、銭湯看板の写真を撮り、LINEで送った(グループのLINEで知り得ていたものの、個人LINEで送るのはなぁ…でかなり躊躇したものの、結果送った)。既読は付き、good!の顔をしたスタンプも付いた。しかし、返信なし。あー、やっぱり個人LINEで送ったのは距離感怖かったかな……と反省。明日また対面で軽く報告しようと決意。

 

翌日、また冷蔵庫にものを取りに行った際「送ってくれた写真、同名の違う銭湯だったよね…?(苦笑)」とBさんが話しかけてくれた時点で、教えてもらった銭湯と違う銭湯に行ってしまったんだと気づくキムラ。あーーーーーーーーーー。「次回こそ、行ってみます…」とBさんに伝え、本日時点でまだ行けていない。最近は、同じ家に住みながらもAさんとBさんどちらの姿も見ない。悲しい。でも、これが想像していたルームシェア、これこそがルームシェア。Bさんからしたら、ちゃんと他人の話を聞いていないキムラという認識のまま止まっている。あーーーーーーーー。

 

 

ネフリでjeen-yuhsカニエ3部作ドキュメンタリーを見ていたら、1部の中で若かりしカニエが「コップの水が半分ないじゃなく、コップにまだ水は半分ある」と、ポジティブ捉え方の話をしており、自分も見つめたいと思いました。まだ、水は、半分ある。